ウィークリーレポート/2025年12月 vol.02

今週の業界トピック

営業現場で進む“やり方の変化”――AI活用調査が映し出す本質とは
営業支援ツールを提供する LOOV が実施した「営業現場におけるAI活用実態調査」によると、営業職の約9割が生成AIを認知しており、そのうち 約7割が「営業成果の改善を実感している」 と回答しています。
この結果から読み取れるのは、営業現場において AIという技術が一気に浸透し始めている という事実です。
一方で、注目すべきなのは「AIを使っている」という点そのものよりも、営業の進め方そのものが変化してきていること です。
今週の注目ポイント
① 営業現場では「個人任せのやり方」が限界を迎えている
今回の調査では、生成AIの認知や活用が進んでいることが示されていますが、その背景には、営業現場が抱える構造的な課題があります。
人手不足や業務量の増加により、営業担当者が
・準備
・初期対応
・情報整理
といった業務まで一人で抱え込むやり方は、すでに限界を迎えつつあります。
② AI活用は「業務を分解する」きっかけになった
調査で成果改善を実感する人が多い理由は、AIが営業活動のすべてを代替しているからではありません。
むしろ、営業業務を細かく分解し、任せられる部分を仕組み化するという発想が現場に広がったことが大きいと考えられます。
・定型作業はツールに任せる
・人は判断や提案に集中する
この役割分担が明確になったことで、営業全体の効率や再現性が高まり、結果として成果改善につながっているのです。
③ 接触段階の“自動化”が営業全体の効率を押し上げる
営業プロセスの中でも、特に負荷が大きいのが初期接触や一次案内といった入口部分 です。
営業担当者が、見込みの低い相手にも同じ時間をかけてしまうのは、リソースが限られた時代には大きなロスとなります。
自動発信(オートコール)などを活用し、
・均一品質での一次案内
・音声による情報提供
・応答/反応データの取得
・反応層だけを人がフォロー
という流れを構築することで、営業工数の最適化と精度向上を同時に実現できます。
ここで重要なのは、高度な判断を行うAIかどうかではなく、「入口を仕組みとして切り出せているか」 という点です。
④ 技術の違いよりも「営業プロセス設計」が成果を左右する
AIを活用する場面もあれば、必ずしもAIを必要としない工程もあります。
特に初期接触の段階では、
・一定品質で情報を届ける
・反応を事実として蓄積する
といったシンプルな仕組みのほうが、実務上は安定して機能するケースも少なくありません。
音声生成によって自然な案内を行い、反応データをもとに次のアクションを判断する――このような 再現性の高い仕組み は、AI活用が進む今の時代においても十分に有効です。
まとめ
今回の調査は、「AIを使っている営業が増えた」という事実だけでなく、営業現場が“仕組みを前提に動くフェーズ”へ移行し始めている ことを示しています。
すべてを人が担う営業から、
・入口は仕組み化し
・判断と提案に人が集中する
という形へ。
重要なのは技術の名称ではなく、営業プロセスをどう設計するか です。
その視点こそが、これからの営業力を左右していくでしょう。